2017.12.11

やると決めたら一気に猛進!流れに逆らわず波に乗れば道は開ける。

元格闘家で、現在はあらゆるシーンで活躍する須藤元気さんによる特別講演会が11月15日(水)に開催されました。
テーマは「自分が変われば世界が変わる」~意識を変えるだけで道は開ける~。

格闘家としてひとつの軸を創り上げた後は、タレントや作家、ミュージシャンとしても活躍し、母校である拓殖大学レスリング部の監督に就任。
さらには英語学校の経営など、多彩な才能を発揮している須藤さん。
その豊富な経験から導き出した答えが「自分が変われば世界が変わる」ということでした。

会場は、須藤さんの話を間近で聞こうと集まっていただいた来場者でいっぱいに。
今回は前半の「講演会」と後半の「トークショー」の2部構成。須藤さんからどのような話を聞くことができたのか、会場の雰囲気とともにその一部をご紹介します。



これまでの道のりが語られた第一部の講演会。

「みなさん、元気ですか!? 元気があれば何でもできる」という、アントニオ猪木さんのお決まりのフレーズで笑いを誘いながら講演会の口火を切った須藤さん。
思わず話に引き込まれるようなアクションと軽快なしゃべり口で、笑いを交えながら和やかな雰囲気で話は進みます。

第一部の講演会では、「COMMONS PAGE」のサイト内で紹介された須藤さんのインタビュー記事をさらに掘り下げる内容に。
様々な夢を思い描いていた学生時代の話から、アメリカに渡ってからの修業時代の出来事、格闘家になってからの葛藤や独自の減量法など、誌面では語られなかった話もたくさん飛び出しました。

打撃系立ち技格闘技「K-1」に出場するに当たって、須藤さんの武器のひとつとなった「バックハンドブロー」の習得秘話も披露。
ある選手にその戦術を教えてもらったことで「試合には負けたけど、爪痕を残すことができた」と須藤さんは語ります。

さらに現役引退後、ダンスパフォーマンスユニット「WARLD ORDER」を結成したきっかけや、メジャーになるまでの道のり、音楽番組出演時の裏話などもお話いただきました。

新しいことを始めるたびに困難にぶち当たってきた須藤さん。
その大きな壁を何度も乗り越え、どのようにして今の自分を築き上げてきたのか、という道を切り拓いていくまでのお話には、参加者のみなさんも興味津々でした。


須藤流の生き方に魅せられた第二部のトークショー。

休憩を挟んで行われた第二部のトークショーは、インタビュアーの質問に須藤さんが答えていく、という形で進められました。
その中から一部内容を抜粋してご紹介します。



シンクロニティのサインをきっかけに現役引退を決意。

――格闘家を引退した時は、突然のことで驚いた方も多かったと思うのですが、引退しよう、これからの人生を変えて行こうと思った経緯を改めて教えていただけますか?

僕は常にシンクロニシティ、つまり共時性を信じているんです。
この世界に偶然はなくて、何かを起こす時には必ず何らかのサインがあるものだと。
引退するかどうか迷っている時に、いろいろ迷っていても仕方がないから「今日決めよう」と思い立った日があったんです。
僕は当時、散歩が好きで、歩くことでちょっとした瞑想状態になることがありました。
だから、考え事がある時は常に散歩をしていたんです。

「今日決めよう」と思った日も散歩に出たんですけど、途中でトイレに行きたくなって。
公衆トイレに入った時に、そこにメッセージがあったんです。
「一歩前へ」と(笑)。

もちろん、ここでは違う意味で書かれたものですが、僕にはメッセージに受け取れたんです。
この日をきっかけに現役を引退して一歩前に進み、次のステージに行こう、違うことに挑戦しよう、決めました。

共時性のサインというのは至るところにあって、意識すると見えてくるものだと思うんです。
僕は、共時性の波に乗ることが何事もうまくいくコツだと思っています。
流れに逆らわず、肯定的に受け入れることによって道が開けることもありますから。



道を開くカギは一点突破・全面展開、やると決めたら一気にやる。

――ビジネスマンとして仕事している人たちに向けて、流れに逆らわずに日々を送るためのいい方法はありますか?

何事も肯定的に、というのは、シンプルだけど意外とできないものなんですよ。
ですから、まずは肯定的に物事を捉えるクセを付けることが大切です。

あとは、やると決めたら、それに集中すること。
勉強や仕事はコツコツやるのも大切ですが、僕の場合は一点突破・全面展開!
やると決めたら一気にやります。

最近は英語のスキルアップのためにTOEICに挑戦しようと思ってるんですよ。
今、学生みたいに1日平均6時間くらい勉強しているんですけど、いい勉強方法を見つけたんですよ。
ウエイトトレーニングをしながら英単語を覚えるんです。

体を動かしながら英単語を覚えると、体の身体記憶が英単語とリンクすることに気付いて。
これはいい!と思って、マッサージも英単語を覚えながら受けてるんですよ。

僕が意識しているのは二毛作ですね。二毛作をすると同じ24時間でも倍使えますから。
常にひとつのことをやる時に、なにか同時にできることはないか考えます。
ひとつのことで複数の利益を生み出す、という発想を持つことが大事ですね。

英語学校を始めたのもその発想から。
英語に対するモチベーションを上げるために、自分で英語学校をやろうと。

今は自分の英語学校に通っているんですけど、自分で勉強できるし、しかも代表だから英語ができないとカッコつかないのでモチベーションもキープできる。

そしてビジネスとしても成り立つ。
ここでは三毛作ですね。

そういう形でやっていくと常に自分の中で「Win-Win」のシチュエーションが出来上がるんです。


楽しい時期に一気にマスターすると臨界点を超えられる。

――何事もこだわって突き詰め、戦略を立てている須藤さんですが、新しいことを始めるにあたり気をつけていることはありますか?

僕は多動性の気があって、いろいろな事に挑戦したくなるんです。
これは僕のクセみたいなもの。

意識しているのは、合わないと思ったらすぐに撤退することですね。
楽器もいろいろやってみましたが、向かないと思ったら素早く撤退して、合うと思うものは没頭して挑戦しました。

あとは、楽しい時期に一気に詰め込むこと。これは最初の臨界点を超えるコツです。
楽しい、面白いと思ったら3カ月以内である程度コンプリートさせると、さらに上を目指すことができます。

楽しい時は、やり続けていても疲れないものです。
その時に臨界点を超えると継続することができるんですけど、そこまでいかないと仕事とか他にやらなきゃいけないことができたりして挫折してしまうんですよね。
だから、できる限り集中してやることが大事だと思います。

僕の場合は、格闘技で名前が売れたからいろいろなことがやれる、という側面もあると思います。

全部が中途半端になる恐れがあるので、何か主軸をつくることがすごく重要。
まずは自身の基本となるストロングポイントをつくってから他への展開を考えるのが得策かもしれませんね。



口出し不要。思い切ってすべて任せれば思わぬ力を発揮する。

――須藤さんは拓殖大学レスリング部の監督であり、WORLD ORDERではリーダーも務めていますが、選手やメンバーのモチベーションを維持するために実践していることを教えてください。

今日は経営者や部下がたくさんいらっしゃる方も来ていただいていると思いますが、僕の場合は「やってくれ」とお願いしたら口出しをしないことですね。
口出しするとメンバーのポテンシャルがあまり発揮されないんですよ。

今はWORLDORDERも衰退期。
冬の時代です。

この先、成長期を迎えるために次の作品には自分は一切触れないことにしたんです。
出演自体は2年くらい前からやめていて、プロデュース業に専念しているんですけど、楽曲作りも作品監督も僕が担当していました。
でも、今回初めて楽曲のすべてをメンバーに任せてみました。

出来上がった楽曲を聴いたんですけど、変な意味ではなく「僕はこういうのを作らないな」という印象です。
でも、それでいいんです。

僕が介入してしまうと、どうしても今まで作ってきた8年間と同じ形になってしまいますから。
今までとは違う見え方が必要で、それがうまくいくかどうかはやってみなければわかりません。

表現なんて必ず好き嫌いがあるものですから。
僕は最後に責任を取るだけ。

今はいろいろ制作中でメンバーも楽しく進めているみたいなので、出来上がりがとても楽しみです。


可能性を信じて諦めないことがモチベーションアップにつながる。

拓殖大学のレスリング部も、前回の大会ではケガで出場できない有力選手がいたり、優勝確実と踏んでいた選手がノーポイントだったりと、波乱続きだったんです。
そんな時こそ、僕が現役時代からテーマにしている「We Are All One」ですよ。
みんなで力を合わせて戦う時だと士気を高めたり、鼓舞したり。
その結果、総合優勝を勝ち取ることができました。

この大会は全部で8階級あるんですが、うちの大学は個人優勝者が一人もいませんでした。
ほとんどが2位と3位。
優勝者がいないのに団体優勝をしたのは大会史上初だそう。
まさに、総合力で勝ったわけです。

勝負の流れっていうのは本当にわからないもの。
大会は2日間あったんですけど、初日に有力選手が敗れて半分終わったという感じでした。
その日の夜、選手たちに言ったんです。

「可能性は無限大にある、諦めない気持ちが大事だ」って。
けっこう青臭い言葉ですけど、こういう考え方をするだけで人は変わります。
「もうダメだと諦めた時点で終わる。可能性は限りなくあるから優勝できる、優勝して祝勝会をやろう!」と。
そういうプラスのイメージを持つことによって現実も必ず引き寄せるから、という話をして。
それで優勝できたんですから、自分でも良い事を言ったな、と思いますね(笑)。



何事も前向きに。それだけで世界は変わって見える。

――最後に、ご来場いただいているみなさんに、熱いエールをお願いします。

いろいろ語ってきましたけど、結局僕が言いたいことはすごくシンプルで、意識すべきことは3つだけ。
「前向きに考えて、前向きに話して、前向きに行動する」。たったこれだけです。

「COMMONS PAGE」のインタビューでもお話しましたが、人間社会の構造は「贈与と反対給付」で成り立っています。
この世界では自分が与えたものしか得ることができないんです。
だから常に前向きなエネルギーを出していれば、それが必ず自分に帰ってきます。

ぜひ前向きに行動することを意識していただいて、みなさんとともに明るい未来をつくっていければいいなと思います。



須藤元気さん
1978年、東京都生まれ。高校時代からレスリングを始め、全日本ジュニアオリンピックで優勝。世界ジュニア選手権日本代表。1998年に渡米し、格闘家としての修行を続け、帰国後に逆輸入ファイターとしてプロデビュー。UFC-J 王者を経て、K-1 やUFCなどで活躍。2006年に現役引退。2008年、母校である拓殖大学レスリング部監督に就任。2年目で大会4冠を達成し、最優秀監督賞を10回受賞。現在は監督業のほか、作家、タレント、俳優、ミュージシャン、書家、英語学校の経営など多方面で幅広く活躍中。格闘技現役時代から掲げている「WE ARE ALL ONE」(すべてはひとつ)というメッセージは、多くの人々の支持と共感を集めている。

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