2017.09.28

須藤元気さんが多くの経験から導き出した上手な個性の出し方とは。 等身大こそが個性。「ありのまま」を見せればいい。

格闘家として圧倒的な強さと唯一無二の存在感を示し、引退後もさまざまな方面で精力的に活動している須藤元気さん。
多くの経験を通じて重要性を実感しているのは「個」の力。

レスリング部の監督やユニットのリーダーなどで組織を率いる立場から組織力、チーム力アップのために欠かせない「個」の力の大切さと集団の中で個性を発揮する極意について語っていただきました。

「何事も肯定的に捉えることが生きる王道。
そこでの葛藤が人間を成熟させる。」



強みも弱みも受け入れて素の自分を出すことが大切。

組織には必ず光と影があって、影を担う人がいないと組織は成長しません。
すべてが平均的になってしまうと組織は伸びていかないんです。

「もっとがんばれよ」という人と、「ちょっと働き過ぎじゃない?」という人がバランスよく存在する。
不思議と人間社会はそんな構造になっています。組織の成長を考えて全員が均一にならないためにも一人一人の個性はとても重要です。

でも、個性は出そうと思って出せるものではありませんよね。
個性とは、その人そのものなわけですから。

それには、がんばらないで等身大でいることが大切です。
自分を良く見せようと思っても、必ずボロが出てしまいますからね。

等身大でいるということは、ありのままの自分を見せるということ。
だからすごく怖いんですよ。誰もが人に好かれたいとか、いろいろなエゴがありますから。

そこに執着せずに、自分の強みも弱みも理解して受け入れていけば、自然と個性が出せるようになると僕は思っています。
弱点だって、ひとつの個性です。

例えば自分が嫌いだと思っている部分も他人が見れば魅力的に映ることもあるじゃないですか。
僕は自分の細いふくらはぎが嫌いですが、「須藤さんの足はシュッとしててカッコいいですね」と言ってくれる人もいます。

だから、固定観念や自意識に執着することなく、自分の素を出していけばいいんです。


他人にどう思われているのか気にしなければ道は開ける。

ありのままの自分を受け入れて相対化できれば、ポジティブな諦めというか、「そういうもんなんだ」と頭を切り替えることができます。

人にどう見られているか考えるのって、すごくエネルギーを使うんですよね。
その部分をなくしてしまえば自分のやるべきことが見えてくるし、他人の意見も受け入れられるようになる。

「人それぞれだ」って思えば自分自身のキャパシティも広がっていくと思うんです。
基本的に、こだわりが強い人ほど他人の意見を受け入れなかったりするんですよね。

でも組織の中では、人それぞれ好き嫌いがある中で、すべてを受け入れていくことが大事なんです。
「何事も肯定的に捉える」というのは生きる王道ですからね。

もちろん、それらを受け入れるまでにはいろいろな葛藤があると思います。
でも葛藤しなければ人間は成熟しません。

肯定的で、さらに前向きに捉えることができれば人生も楽しくなります。
例えば今回のインタビューも、僕にとっては「面倒くさいな」とも、「好きなことを話せて楽しいな」とも意味づけることができる。

置かれた状況の中で、僕はたくさんの在り方ができるわけですよ。
そこでどう意味づけるかによって展開も変わってきます。

状況自体にまったく意味はなくて、自分がどう意味づけるかが重要。
何事も前向きに、ポジティブに意味づけていく姿勢が大切なんです。





空気を読まないこともできる。それが等身大でいる強み。

会社のような組織の中では、マッピングやポジショニングがすごく大事なんですよ。
自分の立ち位置がわかっている人は場の空気を読むこともできる。
僕は空気を読むけど、空気を読まないこともできる人が強いような気がします。

組織の中では空気を読めて、自分のポジショニングもわかっている。
でも自分のことをちゃんとわかっていながら空気を読まずに表現できる人って、なんかカッコイイじゃないですか。

それって等身大でいられる強みだと思うんです。
人にどう見られているかばかり意識してしまうと、空気を読まないこともできないような気がしますから。
そう考えると、やっぱり素を見せることは大事なんですよ。

あとは透明性ですね。
例えば嘘をついていることなんて、わかる人には簡単にわかってしまいますから。

「この人嘘ついてるな」とわかってしまう人とは僕も絶対に仕事をしません。
信頼を得るためにも透明性はマストです。

ポジショニング、空気を読む、というのは自分の立ち位置をちゃんと把握しながら進めていくことであって、そこに偽りがあってはダメなんです。


個の力をチームの力に。それがリーダーの役目。

僕がリーダーを務めるダンスパフォーマンスユニット「WORLD ORDER」もある意味組織です。
その中でもやはり個の力は大切です。

みんなが個性を発揮してもらえるように僕がしていることは、うるさく口を挟まないこと。
メンバーはみんなプロフェッショナルなので、コンセプトを伝えて投げた後はそれぞれに任せてしまいます。
振り付けを預けても最高のものを創り上げてくれるし、信頼してすべてを預けてしまった方が能力を発揮してくれるんです。

リーダーとして大切なことは、自分のポジションを把握して、一人一人個性豊かなメンバーたちをどう配置していくか、ということ。
個々の力を十分に活かすことができれば、グループでも最高のパフォーマンスを披露することができます。

チームや組織のリーダーになる場合は、どうすれば個の力を集団の力に昇華できるかを考えて関わっていくことが大事だと思います。


創造は組み合わせで生まれる。無から生み出すのは難しい。

「WORLD ORDER」はYouTubeでの配信を軸に考えて生み出したユニットです。
ちょうどYouTubeが流行りだした時期で「何でもできるな」と思って。

僕は高校時代からミュージシャンになりたいという夢をずっと持ち続けていました。
でも、引退した格闘家がミュージシャンなんて、ちょっとイタイじゃないですか(笑)。

だからビジュアルで見せられる音楽はないかと考えていて、ふと目にとまったのがロボットダンスでした。
ロボっトダンスって老若男女、みんなが好きなんですよね。
で、このダンスをうまくアレンジできないかと思っていたんです。

同じ頃、興味を持ったのがハリウッド映画に出てくる日本人。
なんか、みんなロボットみたいな動きで描き方がひどいんですよね(笑)。

ハリウッドの巨匠ですらそういう描き方をするってことは、西洋人にとって日本人は真剣にそういう印象なんだ、あれがリアルなんだ、と思ったんです。
人間にはステレオタイプで見てしまうクセがあるので、それを逆手にとって、ハリウッド映画に出てくるような日本人をクールに表現したら外国でウケるんじゃないかと。
日本はデジタルなイメージもあるので、そこで勝負しようというところからスタートしました。

創造は何かと何かを組み合わせることで生まれるものだと僕は思っているんです。
無から何かを生み出すことはとても難しいこと。
自分のアンテナにひっかかったものを上手にコラージュすることが新しいものを生み出す基本だと思います。

組織やグループでは個の力をコラージュして、新しい力、組み合わせによって何倍にもなる力を創造していくことが大切かもしれませんね。



COMMONS PAGEメンバー限定
須藤元気さんの講演会を開催!

今回のテーマは、

「自分が変われば世界が変わる」
〜意識を変えるだけで道が開ける〜


講演日時:2017年11月15日(水) 19:00開演 21:00終了予定
場所:東京ミッドタウン・カンファレンス
人数:COMMONS PAGEメンバー限定80名様をご招待

募集は終了しました。



須藤元気
WORLD ORDERプロデューサー、拓殖大学レスリング部監督
1978年、東京都生まれ。高校時代からレスリングを始め、全日本ジュニアオリンピックで優勝。世界ジュニア選手権日本代表。1998年に渡米し、格闘家としての修行を続け、帰国後に逆輸入ファイターとしてプロデビュー。UFC-J 王者を経て、K-1 やUFCなどで活躍。2006年に現役引退。2008年、母校である拓殖大学レスリング部監督に就任。2年目で大会4冠を達成し、最優秀監督賞を10回受賞。現在は監督業のほか、作家、タレント、俳優、ミュージシャン、書家、英語学校の経営など多方面で幅広く活躍中。格闘技現役時代から掲げている「WE ARE ALL ONE」(すべてはひとつ)というメッセージは、多くの人々の支持と共感を集めている。
衣装協力/エストネーション、エディフィス 渋谷

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