2017.04.28ライフワーカー

好きな仕事ができるのは家族のおかげ。感謝を忘れずに「LIVE TO WORK」の心でチャレンジし続ける。

COMMONS PAGE「Life Worker」のコーナーでは、ON/OFF問わず好きと思えることに取り組み、『三井のオフィス』でいきいきと活躍するビジネスパーソンの1日を紹介しています。
今回登場するのは、1952年に創業し、戦後復興する日本の躍進を空から支えてきた全日本空輸株式会社(ANA)で働く、保理江裕己さんです。
航空業界のトップを駆ける同社の航路を、空の先の宇宙にまで広げるという夢に向かって邁進する姿を追いました。

――全日本空輸(以下ANA)入社からの遍歴を教えて頂けますでしょうか?
2009年に総合職の技術系として入社し、運航技術というパイロットの操縦マニュアルを作る部署へ配属となりました。
5年間にわたり、機体の導入や、色々な機体をいかに安全に効率的に飛ばすかを考察する仕事に携わった後、整備センター技術部という飛行機の品質向上を担う部署にて、機材品質向上に関わる仕事に2年間従事しました。
社内公募でデジタル・デザイン・ラボに異動となり、現在は持株会社であるANAホールディングスに所属し、ANAグループのイノベーション創出を推進する仕事をしています。

――そもそもANAにはどんな理由で入社されたのでしょうか?
昔から飛行機や宇宙が好きで、工学部に進学し、そういう分野での就職を目指していました。
ANAは2機のヘリコプターの運航から始まったベンチャー企業であり、現在の規模にまで成長を遂げてきたチャレンジ精神に惹かれて入社しました。
そうした挑戦の歴史を絶やさないよう、意識して日々の業務にあたっています。

――ANAの魅力はどんなところにありますか?
ANAグループの行動指針にある「あんしん、あったか、あかるく元気!」という表現がすごく的確にANAの社風を表していますね。
手前味噌ですが、明るくて良い人が多いという印象が強いです。



――デジタル・デザイン・ラボとはどんな部署で、どんなお仕事をされているのでしょう?
デジタル・デザイン・ラボは、ANA内にイノベーションを創出する推進役として、昨年の4月に立ち上げられた新しい部署です。
これまで培ってきた我々の強みと世の中の新しい技術やビジネスモデルを繋ぎ合せ、新しい価値を生み出そうと日々考察し、デザインし、実行する部隊ですね。

ここで取り組んできた事案のひとつに、ドローンがあります。
将来的にどこでもドローンが飛ぶような時代になれば、運行管理システムや、衝突を防ぐようなインフラを整えることになるでしょう。
そうなれば、我々の上空での運航経験や運航技術のノウハウを活かして、価値を提供できるのではないかと思います。

また、カード発行枚数が3千万人を超えるANAマイレージクラブ会員に対して、搭乗を促すだけではなく、「もっと面白い商品がありますよ」というような新しいアプローチができると考えています。
10月からはWonderFLYという名でANAのクラウドファンディングを立ち上げており、そこでも新しい価値を提供していこうと邁進しています。
将来的にはドローンに加え、空のさらに上にある宇宙で運航ができる会社を目指し、視野を広げています。

またイノベーションについては、我々がこれまで携わっている分野においての業務効率化が挙げられます。
プロトタイプを開発し、ビジネスモデルを描いて試行しています。

例えばロボット化や自動化、AIを用いた取組みなどです。
空港にPepperを導入したのもそのひとつで、「単純な作業をロボットに任せることで、お客様への対応にもっと時間が割けるはずだ」という仮説をもとに検証を続けています。
それは単なる人間と機械との置き換えではなく、適材適所で仕事を分担させていくことで、人間にしかできないサービスの質を高めていくというものです。

――デジタル・デザイン・ラボへの異動を希望された理由を教えて頂けますでしょうか?
イノベーションに興味があったからです。もともと業務外で、先輩の立ち上げたBLUE WINGと呼ばれる社会起業家を応援するプログラムの立上げに参画しました。
ANAが社会を良くしていこうとする起業家たちの航空移動をサポートするプログラムです。

技術的な仕事と違い、間接的に社会貢献に結び付くようなサービスに魅力を感じ、自分でも何か立ち上げたいという想いで異動を希望しました。

――今のお仕事の魅力はどんなところにありますか?
「何にでもチャレンジしていい」という空気と環境が一番の魅力です。
苦労することも多いですが、社会や周りの人たちへ良い価値を提供し、最先端の取組みを仮説検証できるチャンスがあるというのは、すごくありがたいですね。
上司を含め周りのサポートも厚く、人にも仕事にも恵まれた環境にいると実感しています。

――これまでに、どんな手応えを得ていますか?
手応えを感じたことは、大きく2つあります。
1つは入社当時からの目標でもある、宇宙での仕事に携われたということです。
将来は「宇宙行きのANA便を作りたい」と公言していました。
ところが今回、宇宙旅行の実現を目指すPDエアロスペースという名古屋のベンチャー企業に対し、HISさんとANAとで共同出資するプロジェクトに関わり、宇宙への一歩を踏み出せたと感じています。

2つ目は、先述したWonderFLYというクラウドファンディングサイトのローンチイベントです。
「旅の常識を覆すモノ」をテーマにアイディアを練るイベントでしたが、各方面から多くの方が参加してくださり、非常に盛り上がりました。
試行錯誤しながら作り上げた企画でしたので、余計に嬉しかったですね。

――そのローンチイベントの内容をお伺いできますか?
総勢200名くらいのデザイナーやプログラマーの方々、学生さんに「旅の常識を覆すモノ」のアイディアを考えて頂くというイベントです。
参加者のアイディアをエントリーして頂き、選ばれたアイディアをクラウドファンディングの対象とします。

これまで、色々なサポート型のクラウドファンディングを立ち上げてきたのですが、その発端となるアイディア出しを、イベントとして企画しました。



――チームプレーを上手く機能させるコツがあれば、教えて頂けますか?
何気ない雑談も含め、コミュニケーションはよくとっていますね。
自分が何をしているのかを話し、相手の思っていることを聞くようにしています。

もともと飲みに行くことが多い会社ですが、特に今のデジタル・デザイン・ラボのメンバー6人は頻繁に集まっていますので、チームワークには自信があります。
またフリーデスク制ということもあり、他の部署の方と話をする機会も多く、何気ない会話の中から仕事のヒントを得ることも多いです。

――保理江さんは、仕事に対してどんなモットーをお持ちですか?
「レッツ・トライ!」ですね。
ある程度は考えることもありますが、最初から否定せずに、「まずはやってみよう!」という想いを大事にしています。

――保理江さんにとってのモチベーションの源泉を教えて頂けますでしょうか?
目標や取組みたいことを自分で見つけ出し、実行することですね。
人から言われたことではなく、自分の考えを実現していくことにモチベーションを感じます。

――アイディアを練ったり、ミーティングに参加したりなど、保理江さんの1日はどんな流れなのでしょうか?
会議もあったり、外出もあったり、羽田空港へミーティングをしに行くこともあれば、デスクワークで資料作りに取組んだり、構想を練ることもあったりとさまざまですね。

――情報をインプットするためのルーティンはありますか? また、クリエイティビティを養うために、何か工夫されていることはありますでしょうか?
毎朝、電車の中ではスマホでニュースを読んだり、本を読んだりしています。
また、普段からアフターファイブや日中の時間をうまく使って、テクノロジー系のカンファレンスやイベントに参加し、情報収集や人脈作りを心掛けています。

――リフレッシュは、どのようにしていらっしゃいますか?
外の景色を眺めること、下の階にあるスターバックスに足を運ぶことでしょうか。
羽田空港に勤務していた頃は、滑走路が見える眺望を気に入っていましたが、この汐留シティセンターも、東京を感じることができて良いですね。
一方にはスカイツリー、他方には富士山や東京タワーが見えます。



――汐留シティセンターで、気に入っている点は何でしょう?
エレベーターの速度も速く、快適なオフィス環境が整っている点です。
さらに先述した通り、景色がいいのも嬉しいですね。
下にはレストラン街や郵便局、本屋もあり、ビル内で生活が完結できてしまう点もすごく便利で気に入っています。

――プライベートはどのようにお過ごしでしょうか?
週末は家族との時間を大事にしています。
娘と公園で遊んだり、図書館に連れて行ったり。娘が昼寝をしている間が、自分の時間ですかね。
ずっとバスケットボールをしていたので、身体を動かすことも好きです。家の近くの公園をランニングすることも。

――チャレンジングなお仕事と子育てを伴う家庭を、上手く両立させるコツを教えて頂けますか?
共働きなので、私が娘を保育園まで送り迎えに行く時もあります。
妻は出張もあるので、そういう時は私が娘にご飯を食べさせたり、お風呂に入れたり。
妻が作り置きしてくれますが、自分で作ることもあります。

――最後に、保理江さんにとって働くということは何か、教えて頂けますでしょうか?
「LIVE TO WORK」、つまり働くために生きるということですね。
私は、働くことも生きることも一緒と言えるくらい、今の仕事を楽しんでいます。
仕事と生活のバランスをとるというよりは、融合していると言えるでしょうか。
好きな仕事ができるのは、家族や周りの方々のお陰です。
感謝を忘れずに、これからも楽しく頑張りたいと思います。



保理江裕己
ANAホールディングス株式会社
デジタル・デザイン・ラボ イノベーション・リサーチャー
2009年、ANA(全日本空輸)入社。飛行機の操縦マニュアルを作る仕事や飛行機の整備を管理する仕事に従事したのち、2016年にデジタル・デザイン・ラボに異動。
ANAグループ全体のイノベーションを創出する業務に携わる。

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