2018.03.23

人のサポートは不可欠。話を聞き、新たな価値創造を。

諦めない強い心。
その先にある出会いが突破口を開く。

起業後に突き当たった一番の難関は2015年に行った資金調達でした。
創業時、我々のビジネスモデルは企業から専用衛星の製造を請け負う、「マイ衛星」をつくるというもの。

なかなか受注を取れない中、自社で衛星を持ちたいと言ってくれたウェザーニューズ様と出会い、起業できたのが2008年。
その後2017年7月までに3機の衛星打ち上げを成功させましたが、衛星データをより広い層に届けるために、衛星を所有するリスクを自社で負い、企業にはそこから得られる画像や解析データを買ってもらうというビジネスモデルを新たに考えました。

その結果、まとまった資金が必要となったのです。

宇宙ビジネスは、一筋縄では投資家を説得できません。
「宇宙なんてわからない」「そんな領域への投資は危険」という人がほとんど。
必要とする額もIT企業などの比ではなく、プロジェクトの遂行にも時間がかかります。

ただ、当時アメリカでは宇宙ベンチャーが資金調達を始めていて、日本の投資家も意識し始めた時期で。
そんな時に宇宙業界出身の投資家とお会いすることができ、その方が我々のプロジェクトを評価してくださったんです。

真っ先に投資を決めてくれただけでなく、他の投資家への説明もサポートしてくれました。
何事も自分一人で解決できることは限られてます。

自ら原点を見つめなおし、諦めずに努力を続けた先にあった出会い。
そのおかげで、大型資金調達という難関を越えることができたと思っています。



解決案を探すよりも大切なのは
社員が案を出せる環境づくり。

困難が生じた時には、自分で解決できないことは他の誰かが解決してくれるという楽観的な考え方がプラスに働くこともよくあります。
これは気持ちの余裕が持てるからです。

私はどちらかというと楽観的な性格で、どんなに辛い状況に陥っても絶対に解はあると思っています。
「解はある」とみんなに言っていると、結果的に誰かが見つけてくれることがよくあるんですよ(笑)。

もちろん、自分自身も努力しますし、責任を持って対応していますが自分だけで解決する必要はありませんから。
時には「誰かが解決してくれるはず」という楽観的な考えも経営者には大切なのかもしれません。

自分の役割は、みんなが解決策の案を出せるような状況にするために、すべての社員が100%以上の力を発揮できるような環境をつくることだと思っています。

そういう環境を習慣的につくることは難しいですが、社内では常にポジティブなことを言うようにして、社員一人一人とコミュニケーションをとることに時間を割いているつもりです。

実際には出張などで席を空ける日もありますが、なるべくオフィスに出てみんなの顔を見ながら仕事をしたいですし、時間があれば一緒にランチに出掛けたいと思っています。
そういった日々の小さな積み重ねが社員との繋がりを強くして、組織力になっていくもの。

困難を乗り越えるためには、会社全体の力を上げることも大切だと考えています。



相手の話を聞くことで得られる
新しい価値創造のヒント。

人と接するときは、相手の話を聞くことに注力しています。

創業前は、宇宙ビジネスという理解しにくい世界を説明することに終始してしまって。
とにかくわかってもらわなければ始まらないと思い、自分が話してばかりでした。

でも違うんですよね。
自分から発信するだけではビジネスはカタチにならない。

我々は衛星をつくっていますが、それ自体が本質ではなく、我々の技術や能力がどう社会の中で生かされるのかがポイントです。
まずは相手がどのようなニーズを持っているかを聞き出し、それを踏まえてこちらが相手のビジネスにつなげるための衛星の活用法を考える。



誰でも中心にあるのは自分のビジネスです。
その部分と関連する話をすると腹落ちしてもらいやすいんです。

商談の場には新たな発見が多くあります。
相手の現状やビジネスの話を聞くことで、衛星活用の幅が広がっていくんです。

ビジネスと衛星のつながりには多くの可能性が秘められています。
その可能性、新たな価値を見出していくためにも、相手の話をしっかり聞き、衛星の活用法を模索していくことも、宇宙ビジネスに携わる我々の大事な任務だと思っています。

このビジネスが社会のインフラになっていくのが夢ですね。



笑顔で場の雰囲気を明るくし、
協力して生み出す大きな力。

相手を説得する時には「スマイル」を心がけています。
会議ではけっこうムスッとしている人が多いんですけど、そこにちょっと笑顔を加えるだけで雰囲気がポジティブになりますから。

私は自分自身の能力がさほど高いと思っていないので、他人の力を借りないと何もできない、という考えがベースにあります。

だから社外に対しては「私たちの会社はここが弱い。でも御社はここが強い。だから一緒にやりましょうよ」ということを前面に押し出して協力を仰ぐわけです。

みんなで何かを成し遂げることは楽しいですし、力を合わせた方が大きいことができるじゃないですか。
だから、巻き込み力はとても大事。

いろいろな方に我々の会社のことを考えてもらうためにも「スマイル」は欠かせない要素のひとつといえます。

結果的に、社内でも社外でもいろいろな人に助けていただいて会社が成り立っているということだと思います。
人に頼らなければ乗り越えられない困難もたくさんありますから。

今までも数え切れないほど多くの方にサポートしていただきました。
これからも諦めずに夢を追いかけ、人を巻き込みながら難題を突破していければと思っています。


株式会社アクセルスペース
代表取締役
中村友哉
1979年、三重県生まれ。東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻博士課程修了。自分がつくったものが宇宙空間を漂い、思い通り動いてくれることに魅力を感じたため航空宇宙工学科へ。在学中、3機の超小型衛星の開発に携わる。卒業後、同専攻での特任研究員を経て2008年にアクセルスペースを設立することになり、代表取締役に就任。大学在学中に関わった超小型衛星をビジネスとしての利用に広げ、日本が世界をリードできる新しい産業にしたいという思いから起業に至る。自身もエンジニアだったが現在は社員に任せ、会社経営に奮闘している。





ベンチャー企業に必要な経営支援から資金支援、コミュニティの提供まで、
真の力を育み成長できる環境を用意する、三井不動産のベンチャー共創事業。
共に明るい未来を創る新産業を興すことを目指している。
オフィシャルサイトはこちら

column